Kaji Lab

KAJI LABORATORY

正式な研究室名は行動情報科学研究室です.行動をセンシングし,行動をデザインする研究室です.
スマートフォン等の各種センサを用いた屋内位置推定・行動認識技術の追求と,それに基づいた人間拡張や行動変容に資するシステムの実現を目指します.

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研究室見学を希望の方は下記のメールアドレスにて日程調整します.

📧 kaji@aitech.ac.jp

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M1の安藤弘晃です. 9月10日〜11日にリモートで開催されたIWIN2020にて発表を行いましたので,報告します.

Ando, H., Iwatsuki, Y., HIbi, D., Tsutsui, K., Aoki, S., Naito, K., Chujo, N., Mizuno, T., Kaji, K., Anomaly detection in FA equipment using an interaction model, International Workshop on Informatics(IWIN2020), 2020.

この発表でExcellent Paper Awardを受賞しました.

研究概要

Machine learning is being investigated as a promising method for detecting anomalies. Studies have proposed a method for detecting anomalies in equipment by searching for data that identifies equipment anomalies by arranging sensors in the equipment. However, this method requires a large number of sensors and is, therefore, expensive to purchase and install. In this research, we introduce a less costly method that does not use a large number of sensors. Factory Automation (FA) involves a lot of equipment and, when in operation, the machines are affected by the interaction between this equipment, specifically, the sounds, vibrations, and heat. We believe it is possible to detect equipment anomalies and reduce cost by modeling the vibrations caused by this interaction when the equipment is in its normal state and comparing it with its anomalous state. In this study, we collected normal and anomaly data, modeled interaction, and conducted evaluation experiments. We used the coefficient of determination for anomaly detection to compare the normal data model with the anomaly data.

感想

初の国際学会で英語での発表はとても緊張しました. 自分の前の人のスライドトラブルによって発表の順番が繰り上がるアクシデントなどがありましたが,無事に発表することができました. 論文はIWIN2020のExcellent Paper Awardに選んでいただけたのもとても嬉しかったです. オンラインでの発表だったのが残念ですがとても良い経験ができました.

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B4の水野涼雅です. 6月24日〜26日にリモートで開催されたDICOMO2020にて発表を行いましたので,報告します.

水野涼雅, 大鐘勇輝, 榎堀優, 梶克彦. BLEビーコンの受信電波強度を用いた睡眠位置認識及び褥瘡予防への応用, マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2020)シンポジウム, 6E-3, pp. 1071-1078, 2020.

研究概要

高齢化に伴う寝たきり状態の人の増加によってベッド上での行動把握が重要な情報となりつつある. 行動把握から,睡眠の質や褥瘡(じょくそう)の危険性がある程度把握できる. 本稿では褥瘡に注目する. 長時間同じ位置や姿勢で過ごすと,一定の箇所に圧力がかかり血流の悪化や汚れから褥瘡が発症してしまう. 発症してしまった場合,数時間おきに体位を変更し損傷箇所に圧がかからないようにしなければならず,発症した本人やその介護人にも負担になってしまう. そのため褥瘡の予防が重要となる.褥瘡対策として,ベッドに荷重センサを取り付けて位置の認識を行っているものやシーツ型の圧力センサを用いた睡眠位置認識手法がある. それらでは布団で適用が難しかったり専用のセンサや機器が必要になるため,我々はBLEビーコン(以下ビーコンと呼称)の受信電波強度を用いた睡眠位置認識手法を提案する. ビーコンをグリッド状に設置し,枕元に置いたスマホで電波を収集する. 収集したデータのそれぞれのビーコンのデータに対し,移動平均や正規化を行い閾値を用いて身体との重なりを判定する. 判定された状態を時系列ごとに表示をし位置を認識する. さらに認識した位置から移動量を計算し,褥瘡の発症予防につなげる手法を提案する.

感想

リモートでの発表は今回で2回目となりました. そのため,あまり緊張せず発表に望めました. と言っても矯正の影響から喋りづらくなっており,発表自体は読み上げ音声を用いて発表致しました. リモートならではの発表になったかなと思います. 質疑ではなぜか焦ってしまい,答えられるはずなのに答えられなかった質問があり後悔が残りました. やはりDICOMOは,リモートでの発表ではなく現地で発表したり聴講したりしたかったですね.

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DICOMO2020にて「車輪に取り付けたBLEビーコンによる車椅子移動認識手法」というタイトルで発表してきました.

大鐘勇輝, 水野涼雅, 榎堀優, 梶克彦, 車輪に取り付けたBLEビーコンによる車椅子移動認識手法 マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2020)シンポジウム, 6E-2, pp.1061-1070, 2020.

発表概要

医療技術の発達により人の寿命は年々伸び,WHO(世界保健機関)はこれからは単に寿命を延ばすのではなく,健康寿命を延ばしていくのが大切だと提唱している. 健康寿命を延ばす重要な要素の1つとして運動があり,それを知る指標として歩数を確認する方法が挙げられる. しかしながら,歩数は自立して歩ける人のみに適用できる指標であり,車椅子使用者ではこの指標を用いた運動量の推定は行えない. これまで車椅子における移動認識の先行研究として,GPSを用いた手法や加速度,角速度,地磁気を用いた手法など様々な手法が提案されてきた. しかし,これらの手法は高精度な位置推定に焦点を当てているため導入コストが高く,一般の人では運用が難しい. こで本研究ではBLEビーコンを用いて,低コストで導入・運用が行える移動認識手法を提案する. 本手法は車椅子にBLEビーコンを取り付け,状態によって変化するBLEビーコンの電波強度をもとに移動認識を行う. この時,取得したデータには様々なノイズが載っているため,複数のデジタルフィルタを適用しノイズの軽減を試みる. そして,ノイズを軽減したデータから車輪の回転数や回転方向を推定し,移動を推定していく. 上記の手法を用いてテスト環境で車椅子の移動認識精度を確かめた. その結果,車輪の回転数推定は100%,前進・後進推定は100%・98.5%の精度で推定できた. また移動経路推定は,長方形の周りを1周する移動,スラロームの動き,円の周りを1周する移動の3種類で実位置との誤差を比較し評価を行なった. その結果,それぞれの移動における平均推定誤差は13.95m,6.75m,6.51mであった.

報告と感想

こんにちは. B4の大鐘勇輝です. 6月24日(水)~6/26日(金)の日程で開催されたDICOMO2020において研究発表を行ってきましたので,報告させていただきます. 今回の発表では「車輪に取り付けたBLEビーコンによる車椅子移動認識手法」というタイトルで,BLEビーコンを用いた車椅子の移動認識に関する研究を発表させていただきました. これは以前,情報処理学会第82回全国大会で発表した「車輪に取り付けたBLEビーコンによる車椅子移動認識の基礎検討」から更に研究を深めたもので,実際に移動推定が行えるところまで進めたものになります. 残念ながら今年はコロナウイルス流行の影響でDICOMO史上初のオンライン開催となり,DICOMOの特徴でもある温泉地での開催が叶いませんでした. しかしながら,発表自体には大きな問題はなく,無事に終えることができましたので,ある意味で貴重な経験を得ることができました. 発表の結果,賞を取ることはできませんでしたが,より研究を進化させまた来年リベンジしたいと考えています.

DICOMOでのアルバイトについて

今回のDICOMO2020では発表者としてではなく,アルバイトとして裏方の仕事もさせて頂きました. 仕事内容は通常ですと会場の設営といった肉体労働ですが,今年は前述の通りオンライン開催ですので,主に発表時のタイムキーパーがメインの仕事でした. タイムキーパーは指定された時間にベルの音を流すといった単純な作業ですが,Zoom側の仕様で人間の声以外の音はノイズと見なされカットされてしまい,他の人にベル音が届かないという問題が発生しました. そこで急遽,人の声で経過時間を録音したものに差し替え,なんとか対処しました. オンライン発表での知見が少なく,最初はバタバタとしましたが2日目,3日目と経つにつれて次第に安定していき,無事に終えることができました. バイトを取り仕切っていた金沢工業大学の徳永雄一先生からも「今回,この会議が成功したことに,皆さんの貢献は非常に大きく,情報処理学会史上に救世主メンバーとして語り続けられることになるのではないかと思います.」とコメントを頂けたので非常に嬉しく思いました. コロナ禍のこの頃,様々な変化に適応していく必要がありますが,今回の経験を活かして頑張っていこうと思います.

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M2のharuki(井上晴稀)です. 本来は高知でやる予定だったDICOMO2020ですが,リモート発表で「列車の到着時間案内アプリの実用性向上」を発表しました.

井上晴稀, 梶克彦, 列車の到着時間案内アプリの実用性向上, マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2020)シンポジウム, 3A-3, pp.346-353, 2020.

発表概要

列車に乗ったときに,列車内でアプリケーションを開くと,自動で乗客の乗っている列車を推定して,到着時間を乗客に提示するスマートフォンアプリケーションです. アプリケーション自体は,DICOMO2019で発表しています. 何も情報を入れることなく,アプリケーションを起動するだけで到着時間の情報が得られるのが,このアプリケーションの特徴です. DICOMO2019では,列車を推定するのに大幅な時間がかかっていた問題点がありました. そのため,今回のDICOMO2020では,列車の推定にかかる処理時間の短縮を,精度を保ちつつ行う目的で処理の変更を提案・実装しました.

感想

学会発表はこれで3回目なので,緊張はしましたが初回ほど緊張するほどではありませんでした. 質疑応答で思うように応答できなかった部分があるので,そこは少し反省しています. これからの発表のときは,しっかりとアプリケーションやシステムの思想をしっかり答えられたら良いなと思っています. 本当は高知に行きたかったのですが,今回はリモート発表になってしまったのは残念でした. 今までの発表はすべて対面方式での発表だったので,リモート発表は初めて行いました. 聴いている人が見えないのは,緊張が少しほぐれた分,「しっかり聴いていただいているんだろうか」という若干の心配もありました. しかし,無事に終えてよかったです.リモートならではの楽しみ方もできたと思います. ただ,やはり温泉には行きたかったです. 今度夏に一人で旅行に行きます…

あと,今回の発表でヤングリサーチャー賞をいただきました. 指導してくださった先生,研究室のみなさん,ありがとうございました.

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今年1月に出版された四ツ谷 昂亮さん筆頭の論文が,情報処理学会東海支部の学生論文奨励賞を受賞しました. 四ツ谷さんは平成31年度の卒業生(修士)です.

Kosuke Yotsuya, Katsuhiro Naito, Naoya Chujo, Tadanori Mizuno, Katsuhiko Kaji. Method to Improve Accuracy of Indoor PDR Trajectories Using a Large Number of Trajectories. Journal of Information Processing, Vol.28 (2020) Pages.44-54.

大学のNEWSにも掲載されています.

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M2の宮脇雄也です. 情報処理学会アクセシビリティ研究会へ投稿した論文が「2019年度学生奨励賞」を頂いたのでご報告させていただきます.

発表した研究

宮脇雄也,梶克彦,こだわり行動からの切替促進システムによる長期支援と支援者への効果,情報処理学会研究報告,Vol.2020-AAC-12,2020.

研究概要

発達障がい児は定型発達児に比べ,行動の切替が苦手である. 特にこだわり行動から,別の行動へ切り替える切替行動が苦手であるという特性がある. この特性は,発達障がい児が日常生活を送る上で大きな課題となる. また,社会生活を送る上で,切替行動の習得が必要である.切替支援時の支援者の負担も大きな課題となる. 多くの支援者は,切替負荷の低減や精神面でのフォローを必要としている. 本研究では,こだわり行動から切替促進システムを家庭内での支援に導入し,約2年間実施した. その結果より,提案支援の対象者・支援者双方への効果と課題を考察した. 対象者の変化を記録し,切替支援の難しさと支援装置の効果をそれぞれ分析し,実験期間終了後に支援者へのアンケートを実施した. これにより,切替難度の低い切替支援において継続による効果が確認できた. また,家庭内での支援への関わり方を向上させる効果も確認できた.

感想

コロナウイルスの影響で発表はできませんでしたが,学生奨励賞をいただくことができました. 修士最後の学会でしたので残念ですが,とても嬉しいです. また,コロナウイルスの影響でブラジルでの研究をすすめることもできました. コロナウイルスの影響は計り知れないですが,悪いことだけではないと感じます.

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