Kaji Lab

KAJI LABORATORY

正式な研究室名は行動情報科学研究室です.行動をセンシングし,行動をデザインする研究室です.
スマートフォン等の各種センサを用いた屋内位置推定・行動認識技術の追求と,それに基づいた人間拡張や行動変容に資するシステムの実現を目指します.

    スマホの普及や高機能化・携帯ゲーム機の普及などに伴って,様々なコンテンツがモバイル環境で楽しめる様になってきました. しかし反面,歩きスマホ・運転中スマホなどによる危険性,イヤホンからの音もれなどによる迷惑性が問題となってきています. 人は利己的なもので,これらはマナー啓蒙やルール縛りでは根本解決にはなりません. 本プロジェクトでは,センサによる環境認識技術をベースに,コンテンツを適応的に変化させ,コンテンツを楽しむ満足度を下げることなく,同時に危険・迷惑性を低減する手法について検討しています. 例えば歩きスマホしているときには弾幕無理ゲーにして自然に歩かなくさせたり,電車乗車中にはゲーム内のBGMや効果音を音もれしにくいものに差し替える等です.

    研究内容


    楽曲聴取の満足感とイヤホンからの音漏れ抑制を両立する手法に関する研究

    モバイルコンテンツが原因となる危険・迷惑行為の1つにイヤホンからの音漏れが挙げられる. 従来の研究の禁止・抑制する方向性ではユーザは回避を試みてしまい,本質的な解決には繋がらないと考える. 本研究では従来の禁止や抑制する方向性ではなく,コンテンツに対する満足度と音漏れ抑制の両立を目指す. そこで,満足度と音漏れ抑制を両立するモバイルコンテンツデザインの提案する. 提案手法では,状況・コンテンツに合わせた楽曲を用意しておき,状況やコンテンツに合わせて切り替える. 楽曲を用意する際には,状況に合わせた編曲や定量化された楽器音の音漏れを利用する.


    位置情報ゲームを用いた信号機の意識化に関する研究

    スマートフォンの普及に伴い,スマートフォンの画面に夢中になり信号機が赤でも進行してしまい事故が起きる問題が挙げられる. これを解決する手法として,歩きスマホを検知するとスマートフォンの画面に注意文を表示し操作を禁止するアプリが配信されている. しかし,ユーザはスマートフォンを操作できないため不快感を覚え,アプリを利用してもらえない可能性がある. 本研究では遊びながら信号機を意識してもらい,ユーザの満足度を維持と事故の回避の両立を目指す. 提案手法として,ユーザは信号機の位置情報を用いた塗り絵アプリを遊びながら,確認・復習・反復の3ステップを繰り返しながら信号機を覚える. ユーザは歩きスマホをしていても信号機が近づくと信号機の色を確認し事故を回避する.


    ながらスマホが原因となる危険・迷惑行為を緩和するシステムに関する研究

    モバイル環境におけるコンテンツの仕様が原因となる事故や危険・迷惑行為が問題となっている. 本研究では,モバイル環境におけるコンテンツの使用が原因となる危険・迷惑行為の緩和を目的とするシステムを開発し,モバイルコンテンツを利用する人が楽しみながら公共マナー向上ができるシステムデザインを提案する. 本研究ではこれまでに,イヤホンの音漏れを抑制するため電車内においてSEが変わるシステムや,歩きスマホを自然に辞めるように促すゲームシステム,スマートフォンに夢中になり自動車が近づいている状況に気づかないユーザに対してスマホ端末の操作を妨げずに自動車の接近を通知するシステムを開発し,それぞれの諸問題を緩和するゲームデザインを提案した.



    最近の投稿

    カテゴリー

    本サイトについて

    愛知工業大学 梶研究室の公式Webサイトです。研究実績や日常生活についての記事を掲載しています。