特に時系列センシングデータをターゲットにし,未知のデータに対する種別の推定や,異変の予測などに取り組んでいます. 本研究室では歩行・行動をスマホでセンシングしたデータや,FA機器(サーボモータなど)の動作の様子をセンシングしたデータ,ネットワーク通信の履歴といった時系列データを取り扱っています.
研究内容
FA機器保守管理のための機器間相互作用モデル化に関する研究
この研究では工場で使用されるFA機器の相互作用をモデル化し,機器の品質向上,保全コストの削減,保守管理・異常検知の向上を目指しています. 相互作用を計測するために,リニアモータに加速度センサを取り付け実際に工場で使用される環境を想定し,リニアモータを動かした際に発生する振動を計測します. 現在は加速度センサから振動の相互作用を計測中ですが,今後は熱や音による相互作用にも注目して実験を行う予定です.
IoTデバイスの自動化ネットワーク設定のための通信パターン分析に関する研究
現状のIoTデバイスには起動や通知など1つのデバイスに対して1つの機能を持っている. しかし,1つの機能だけでなくコネクティッドカーなど1つのデバイスに複数の機能を持つIoTデバイスが登場し,今後そのようなデバイスが増加傾向にある. 開発者側は機能ごとに通信手段や通信経路を変える必要があるため,今後は開発者におけるネットワーク設定が複雑化が予想される. これらを解消するため,本研究ではIoTデバイスの通信量の時系列変化パターン(通信パターン)を使って自動的にネットワーク設定を行う研究を行っている. 機能ごとに通信パターンの特徴量を求め,通信先のIPアドレスをそれぞれ1機能とみなし,複数機能を持つIoTデバイスのトラフィックデータから通信先のIPアドレスごとに通信パターンを分類している. また,IPアドレスの通信パターンを通信量を元にクラスタリングし,各クラスタの通信タイミングと通信量を1つの機能の特徴量としている.